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軽貨物求人の収入例はどう書く?売上・経費・手取りの正しい見せ方
軽貨物求人で最も誤解が起きやすいのが収入例です。売上を手取りのように見せたり、繁忙期の上位者だけを標準例にしたりすると、契約後の不信と早期離職につながります。しかも、始めたばかりの頃は思うように配れず、売上を時間で割るとアルバイトより少ない時期もある――この現実を伏せたままでは、どんな収入例も最初の1か月で崩れます。候補者に魅力を伝えながら、会社として説明責任を果たせる収入例の作り方を整理します。
Answer結論
収入例は、単価・一日の個数・月の稼働日数・経験期間・案件を一組にした『売上の例』として書き、会社の控除と本人負担の経費を別に示します。最大値だけでなく、立ち上がり期・標準・習熟の三つを出し、手取りを約束するような書き方はしません。
Key pointsこの記事の要点
- 収入例は単価・個数・稼働日・経験期間・案件を一組で表示し、売上と手取りを混同しない
- 立ち上がり期・標準・習熟の三つのケースを出し、最初の数か月は配れないことも書く
- 先輩の実数は同じ現場の生身の人から取り、集計期間と人数を添える
- 掲載数字の根拠を保存し、案件や単価が変わったら速やかに更新する
目次
01売上・入金額・所得・手取りは同じではない
求人で『月収』と書いていても、実際には委託報酬の売上を指しているケースがあります。そこからロイヤリティ、車両費、燃料、保険、通信費などが差し引かれ、税や社会保険は個人の状況で変わります。会社が確定できない金額まで断定しないことが重要です。
原稿では、まず総売上の計算を示し、会社から控除されるもの、本人が別途支払うものを分けます。『手取り』という言葉は、何を差し引いた後か定義できる場合に限ります。
図1求人で示せるのは、ここまで
02収入例の基本計算
候補者が自分の働き方へ置き換えられるよう、式と前提を同時に示します。数字は説明用の例であり、実際の単価・物量・稼働日数に置き換えてください。
個建の報酬は物量で変わるため、『金額は面接で』としたくなります。ただ、厚生労働省は、フリーランス法の募集情報の的確表示について、募集段階では報酬額を確定的に示すのが難しいとして報酬を記載していなかった発注事業者に、目安となる金額等を記載するよう助言した事例を紹介しています。確定できない場合も、単価と目安の売上を前提つきで示します。
| 要素 | 記載例 | 確認すること |
|---|---|---|
| 報酬方式 | 個建○円/日額○円 | 税込・税別、加算条件 |
| 数量 | 一日平均○個 | 持出か完了か、繁忙差 |
| 日数 | 月22日稼働 | 休日、欠車、研修日 |
| 経験 | 稼働6か月の例 | 新人の立ち上がりとの差 |
| 案件 | ○○市の宅配 | エリア・荷物・再配達 |
| 控除 | 事務手数料○%等 | 計算対象、固定・変動 |
| 本人経費 | 燃料・車両・保険等 | 会社請求か直接支払か |
03一つではなく三つのケースを出す
最大値だけでは、未経験者が立ち上がりを想像できません。研修・立ち上がり期、標準稼働、繁忙期または習熟者という三つのケースを用意します。人数が少ない会社は、無理に平均を作らず、実在する事例の条件をぼかさず示します。
一日の個数は、時間の目安と一緒に考えると現実に近づきます。私のいた現場では、1時間に運べる荷物は20個前後が一つの目安でした。もちろん、戸建てか集合住宅か、エリアが密集しているかで大きく変わります。積込や移動の時間も含めて、一日に何個が現実的かを現場の人と確かめてから数字を置きます。
図2三つのケースで、書き分けること
| 項目 | 立ち上がり例 | 標準例 | 習熟例 |
|---|---|---|---|
| 対象 | 研修後〜稼働1か月ほど | 通常期に一定品質で続けている人 | 経験を積んだ上位の人 |
| 一日の個数 | 物量を調整した少なめの個数 | その現場の通常の個数 | 担当エリアを把握した後の個数 |
| 必ず添える前提 | 研修日・物量調整の期間 | 稼働日数・集計期間 | 経験期間・稼働日数・担当エリア |
| 候補者が分かること | 最初の生活をどう組むか | 続けた場合の目安 | その先にある稼ぎ |
- 立ち上がり例:研修・物量調整中の期間と売上
- 標準例:通常期に一定品質で継続している人
- 習熟例:経験期間、稼働日数、担当エリアを明記した上位例
- 繁忙期例を出す場合は、通常月ではないことを明記
04最初の数か月は、思うように配れない
立ち上がり例を載せるのは、それが最も誤解の多い時期だからです。始めたばかりの頃は道も届け先の事情も分からず、一日の売上を働いた時間で割ってみたら、アルバイトの方が手元に残る――そんな時期も確かにあります。
ただし、配る速さは続けるうちに着実に上がっていきます。求人で伝えるべきなのは、最初が低いことと、その先が伸びることの両方です。片方だけでは、どちらも嘘になります。
図3一日に配れた個数(代表・奥山本人の例)
05先輩の実数は、同じ現場の生身の人から取る
収入例で候補者が知りたいのは、会社が作った理想の数字ではなく、自分が入る現場で実際に走っている人がどれくらい稼いでいるかです。私が人を迎えるときは、まずどれだけきついかを正直に伝え、そのうえで『だが、現にこれだけ稼いでいる人たちがいる』と、同じ現場の先輩の実際の数字を見せるようにしてきました。
求人に載せる場合も考え方は同じです。別の地域の上位者や、条件の違う案件の数字を借りてこないでください。同じ積込地、同じ種類の荷物、同じ報酬方式の人を選びます。
- 同じ積込地・同じ案件の人の数字を使う
- 最高月ではなく、通常期の複数月から取る
- 経験月数と稼働日数を必ず添える
- 本人の同意を得て、名前や顔、明細画像は許可なく使わない
06本人負担経費を隠さない
候補者は売上から生活費を考えます。車両リース、燃料、任意保険、貨物保険、駐車場、通信、端末、制服、振込手数料など、発生可能性のある項目を一覧にします。金額が人によって違う場合も、負担者と計算方法は説明できます。
経費を伝えると応募が減るのではなく、条件が合わない人が入る前に判断できます。結果として面接・契約・研修の無駄が減り、会社への信頼を守ります。
07掲載数字を社内で証明できるようにする
収入例の根拠は、対象月、対象者、完了個数、単価、稼働日数、控除を社内で再計算できる形で保存します。個人を特定できる情報は公開せず、本人の許可なく明細画像を使いません。案件の単価や物量が変わったら、その日のうちに原稿の数字も見直します。
- 集計期間と通常期・繁忙期の区分
- 対象者の経験月数と稼働条件
- 売上に含めた加算・手当
- 控除前か控除後か
- 原稿の最終確認日と更新担当者
08面接では本人の希望収入から逆算する
面接では掲載例を読み上げるだけでなく、候補者の希望額、稼働可能日、車両条件、通勤、休みを聞き、現実的な売上と経費を一緒に計算します。希望と案件が合わない場合は、契約を急がず別案件や時期を提案します。
採用のゴールは高い数字を信じてもらうことではありません。本人が条件を理解し、続けられる判断をできることです。面接で聞いた希望額は記録しておき、稼働して1か月の時点で『収入はイメージと合っているか』を確かめる材料にします。
Q&Aよくある質問
- 求人の収入例に『月収』と書いてもいいですか?
- 業務委託の報酬は売上であり、そこから会社の控除や車両・燃料・保険などの本人負担が引かれます。『月収』『手取り』と書くと誤解を招きやすいため、『月の売上例』とし、控除と本人負担の経費を別に示す書き方をおすすめします。
- 立ち上がり期の低い売上を載せると、応募が減りませんか?
- 応募は絞られることがあります。ただ、最初の数か月は配れないことを知らずに入った人は、その時期に『聞いていた話と違う』と感じて辞めやすくなります。立ち上がり例と、その先の標準例・習熟例を並べると、きつさと伸びしろの両方が伝わります。
- 報酬が物量で変わるので、金額を書けません。どうすればいいですか?
- 厚生労働省は、募集段階で報酬額を確定できないとして記載していなかった発注事業者に、目安となる金額等を記載するよう助言した事例を紹介しています。個建単価と、一日の個数・稼働日数の前提をつけた目安の売上を示し、変動する条件を添えます。
参考資料
制度に関する参照資料の確認日:2026年10月3日。個別の適用・最新情報は各窓口へご確認ください。
